野球場の散水効率を上げる方法。効果的な散水システムの選び方


野球場での散水は、単なるグラウンドのメンテナンス以上の意味があります。
例えば、スパイクで穴が開けられた土は時間とともに硬化し、イレギュラーバウンドの原因になるのです。
さらに、乾燥した土は表面だけがならされ、見た目は整っていても実際には選手にとって危険な状態が生じます。
乾燥した土はホコリとなり、選手の目や呼吸器系に影響を与える可能性もあるのです。
これらの問題を解決し、選手の安全を確保するためには、適切な散水が不可欠です。

野球場の散水計画

野球場の散水で取り組むことは、内野と外野で異なります。
特に内野の散水は最優先事項です。

散水計画を立てる際には、まず既存の設備を把握しましょう。
不足があれば予算とのバランスを考慮しながら改善策を検討します。

どうするかと迷うときは、散水機メーカーにご相談ください。
最適な解決策を見つけるための重要なステップになります。

効率的な散水システムの選び方

散水システムには移動式、着脱式、固定式(ポップアップ式と立上式)の3種類があります。
それぞれの特徴を理解し、野球場の条件と予算に合わせて最適なシステムを選ぶことが重要です。

移動式散水システム

移動式散水システムは、その名の通り、移動が可能な散水機を使用します。
このシステムの最大の利点は、コストが比較的低く、設置が簡単であることです。
散水栓から取水したホースを散水機に接続し、必要な場所へ移動して使用します。

しかし、散水機のセットアップと片付けには手間がかかり、大規模な野球場では時間と労力が必要になります。
小規模な場合や予算が限られている場合に適しています。

着脱式散水システム

着脱式散水システムは、バルブに直接散水機をセットして使用するタイプです。
ホースを使用するよりも省力化が図れ、散水機の設置が比較的簡単です。

しかし、散水機がバルブの位置から移動できないため、散水範囲をカバーするためには、大水量と高水圧が確保できる大口径の送水管やポンプ、受水槽などの設備が必要になります。
中規模の野球場や、一定の水圧と水量を確保できる施設に適しています。

固定式散水システム

固定式散水システムには、ポップアップ式と立上式があります。
これらは操作盤のスイッチ一つで散水が完了するため、最も手間がかからず効率的です。

しかし、このシステムは他のタイプと比べて最も高額であり、大規模な野球場や頻繁に使用される施設に適しています。
外野を含む全域の散水を行う場合、総費用は1000万円から2500万円程度になることがあります。予算が許す場合、最も効率的で省力化された散水が可能です。

野球場に適した散水システムの選定基準

野球場の散水システムを選定する際には、以下の基準を考慮することが重要です。

固定式散水システムの選択

予算が十分にある場合、固定式散水システムは最も効率的かつ省力化された選択肢です。
このシステムを選ぶメリットは、散水機メーカーに全プロセスを委ねることができ、散水に関する手間を大幅に削減できる点にあります。

着脱式散水システムの選択

着脱式システムを選ぶ際には、特定の条件を満たす必要があります。
具体的には、ピッチャーマウンドの後ろや1塁と3塁の両方に40mm以上の散水栓が設置されており、水圧が2キロ以上であることが求められます。
これらの条件が整っていれば、既存の散水栓をボールバルブ付きカプラーバルブに交換することで、着脱式散水機の使用が可能になります。

既存設備の活用とアップグレード

既存の設備が25mm以上の散水栓を持っている場合、それに合わせた散水機とホースを選択することができます。
一方、13mmの一般的な家庭用蛇口しかない場合は、蛇口を25mmにアップグレードすることで、水量を2~3倍に増やすことが可能です。


このアップグレードには約6万円前後の費用がかかりますが、その後は(下記のような)25mmのホースに対応する散水機を使用できるようになります。

また、散水機メーカーとの相談を通じて、野球場に最適なカスタマイズされた解決策を見つけることも有効です。

散水の実践方法

散水の最適なタイミングは、晴天が続き、風が強く、土が乾燥しているときです。
練習前、試合前、試合中の整地時などが理想的です。
均一な水やりを実現するためには、水量と水圧に適したスプリンクラーの使用が重要です。
手撒きの場合は、放水を拡散できるハンドスプレーの使用が効果的です。

ケーススタディ:実際の野球場での散水改善例

実際の野球場での例です。

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ボールバルブ付カプラーバルブに交換しました。

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スプリンクラーを接続しました。

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内野をグルリと散水してから、外野はホースで散水するというような使い方もできます。

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