散水スプリンクラーに使う配管はどんなものがあるの?


この記事では、散水スプリンクラーに使用する「配管の種類」について説明します。

ご家庭用の小さな敷地の水やりであれば塩ビ配管がよく使われています。
塩ビ配管(VP管)とは 硬質の塩化ビニル樹脂でできた配管資材です。
鉄管と違い、抵抗が少ないため流体の流量が多く、腐食に強いため、通気、給排水用の管として広く用いられています。
正式名称は「硬質ポリ塩化ビニル管」で、通称「塩ビパイプ」、「塩ビ管」と呼ばれています。
積水化学工業株式会社のエスロンパイプは有名です。

グランドなど広い敷地では、より強度の高い「水道用耐衝撃性硬質ポリ塩化ビニル管(HIVP管)」を使用するといいでしょう。

散水するためグラウンドに配管

※VPとHIVPの違いはこちらのページをご参考ください。

配管は10~20年と使用することが多いので、散水栓の設置の2mくらい手前からは「配管用炭素鋼鋼管(SGP管)」もしくは「ライニング鋼管(VB・VD管)」など腐食に強い鉄管を使用することをオススメします。

鋼管のデメリットは、配管の中で最も高価で、施工に最も手間がかかるところです。

しかし、非常に丈夫なため、スプリンクラーを設置する数m手前から鋼管を使用することにより、衝撃にも強く、配管破損による水漏れなどが起こりにくいです。

この数年で急速に使用されるものの中には「ポリパイプ」というものがあります。

配管埋設工事

高密度ポリエチレンを原料とするポリエチレン管は、衝撃に強く、可とう性があるので地震による地層のずれや地盤沈下に追従して屈曲するため、災害時でも折れたり破損したりしにくい管材です。

デメリットとしては、紫外線に弱いため地上配管の場合は劣化防止処置が必要です。
最少曲げ半径が大きいから狭所部には不向きです。

やわらかい樹脂でできていて、作業性がよいのが特徴です。
ただし、接続金具が高価なので、継ぎ接ぎするような現場には向きません。

まとめです。


  • スプリンクラーやバルブの手前0.6~1mまでは、施設の用途に合わせてパイプの種類を使い分けてください。
  • スプリンクラーやバルブの手前0.6~1mからは、強度が他の管では足りないため、原則として鉄管にしてください。

以下はご参考までに、スプリンクラー、バルブ周りの施工詳細図です。
スプリンクラー、バルブ周りの施工詳細図のダウンロードはこちら

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