ホースについてよく聞かれる質問があります。
それは「ホース(ノズル)を細くした方が水はよく飛ぶんじゃないんですか?」です。
結論から言えば答えは「No」です。
細いホースやノズルを小さい口径の製品に変えると水は飛ばなくなる
切りっぱなしのホースの先端を手でつまむと、水が遠くへ飛んでいくことがあります。
このことから誤解が生まれるのではないでしょうか。
ところが実際はスプリンクラーのノズルを小さな口径の製品に変えたり、ホースを細い品に変えると水は飛ばなくなります。
水を遠くへ飛ばすには水圧だけではなく、水量とのバランスを合わせる必要があるのです。
例えば、下記のスプリンクラーの性能表をご覧ください。
水を遠くへ飛ばすためには大きいノズル口径の製品を選ぶ必要があるのがおわかりになると思います。
ノズル口径を大きくしても、必要な水量・水圧がなければ水は飛ばない
注意してほしいことがあります。
それは、闇雲にノズル口径を大きくしても、必要な水量・水圧がなければ水は飛ばないことです。
切断されたホースからの水流を想像してみてください。
蛇口が全開の状態では、水は力強く流れ出しますが、蛇口を少しずつ閉めていくと、水の流れは弱まり、最終的には水滴がぽたぽたと落ちる程度になります。
このように、十分な水量や水圧が確保されていない状態で大きなノズルを使ったり、サイズに見合わない大型のスプレーガンを使用すると、水流は力を失い、弱々しくなってしまうのです。
水流が弱まる問題を解決するには、適切な水量と水圧を維持するためにそれ相応のポンプや給水設備の導入が必要になります。
細いホースで水を飛ばすには?細いホースを取り扱うポイント
では、細いホースはダメなのか?
必ずしも、そうではありません。
細いホースには次の特徴があります。
- 軽い。ホースの重さはもちろんですが、ホースの中に水が入ったときは、容積が小さい分、軽いです。つまり扱いやすいと言えます。
- 安い。材質その他の仕様が同じ種類なら太いホースと比較すると安いです。
細いホースを取り扱うにあたり理解したいのは水圧です。
簡潔に言うと、水圧は水が押す力を決まった面積あたりで計算したものです。
細いホースにたくさん水を流そうとすると摩擦抵抗が大きくなり、長さが長いほど水圧は落ちます。
例えば、水道の圧力はどの位か?
地域によって違うのであくまで目安ですが、(水道メータの位置で)2㎏f/㎠といわれています。
しかし、その水が蛇口に到達するまでに、配管が細い、または道のりが長いと、水の力は弱くなります。また、蛇口が高い位置に設置されている場合も、水圧はさらに下がってしまうのです。
もし蛇口から30メートルもある長さの細いホースを使うと、水圧はさらに低下します。
水圧が低下すると、水を前方に押し出す力が弱くなるため、流れる水の量も減少するのです。
これで、細いホースから水がしっかりと飛ばない理由がお分かりいただけるかと思います。
要するに、細いホースが水圧を高めるわけではないのです。
細いホースを使用するときの3つの注意点
細いホースを使用するときは、次の3つにご注意ください。
- 蛇口のところでの水圧が十分に保たれていること
- 散水が必要な範囲が狭く、必要とされる水量が比較的少ないこと
- 散水にかける時間に余裕があり、長時間かけても問題ないこと
最適なホースを選ぶときに確認してほしい5つのこと
ホースを選ぶときに確認してほしいことが5つあります。
- 散水する面積に合わせて、どれくらいの時間と人員が必要か?
- 既存の設備は水道か?
- 配管や蛇口の口径は大きくできるか?
- ポンプの有無は?
- ホースの先端は何を使うのか?散水機か?手撒きのノズルか?その時必要な水量と水圧
ホースを選ぶときに考えることが多いので、迷ったらお気軽にお問い合わせください。
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