散水栓とは?散水栓の種類から使い方まで。散水栓のすべてを説明


今回の記事では「散水栓」について説明します。

散水栓(さんすいせん)の言葉を辞書で調べると、「屋外に設置される水まき用の給水設備(水栓)」と書かれています。散水栓には消防用もありますが、本記事では、芝生やグラウンドに水を撒く目的で使う散水栓を取り上げます。

この記事で説明するのは、「散水栓とは何か?」から、散水栓の仕組みに種類、散水栓の使い方までです。散水栓のすべてを説明します。

散水栓とは?

散水栓とは、散水(水やり)をするためにある専用の蛇口のことです。

散水栓とは

口径が大きい(大口径な)散水栓ほど水量が多く出るため、効率的に散水できます。

散水栓がある場所

散水栓があるのは、学校や公園、野球場、グラウンドです。駅の構内・ホームにも設置されています。そんな散水栓は、屋外の出入り口で動線を妨げないように隅の方や地中に埋められていることが多いです。

散水栓のある場所

散水栓を使っておこなう水やりの用途は?

次のような用途で散水栓を使います。

  • 学校の校庭、公園、野球場など、グラウンドや芝生への水まき。
  • 防塵(砂埃や土埃を防ぐ)対策。
  • 庭掃除、庭の手入れ。
  • 花壇や家庭菜園、畑への水やり。
  • 洗車。

散水栓にはどんな種類があるか?

散水栓の分け方ですが、まずは「口径」による分け方ができます。
代表的な口径は、13㎜、20㎜、25㎜、40㎜、50㎜です。

口径が大きいと散水量は多くなるため、大面積を短時間に効率よく散水することが可能です。口径は、水圧や水量に合わせて選びます。大規模な散水をしたいのか?小規模な散水でよいのか?そこで知っておきたいのは散水栓の種類です。

散水栓は大きく分けると2種類あります。

1つ目は、アングルバルブです。アングルバルブは、ホースを接続するだけで使用できます。散水栓にある蛇口のようなハンドルを回して開栓するタイプです。ご家庭用をはじめ多くの場面で広く使用されています。小規模な散水に向いています。

アングルバルブ

2つ目は、カプラーバルブです。カプラーバルブは、ホースジョイントを接続するか、スプリンクラーを直接接続するか選べる兼用のバルブです。大規模な散水に向いています。

カプラーバルブ

散水栓と似た商品としてあるのが立水栓です。

次に、散水栓と立水栓のメリット、デメリットについて説明します。

立水栓とは?散水栓との違い

立水栓とは、屋外に設置される柱状の水道設備です。

立水栓

散水栓と立水栓のメリットとデメリットは次のとおりです。

  • 立水栓のメリットは、散水する前の準備の手間が無く簡易に使えることです。デメリットは、13㎜より大口径の物がほとんど無いので小規模な散水しかできないことです。
  • 散水栓のメリットは、20㎜以上の大口径の物があることです。大口径なので効率的な散水を実現できます。また、埋設されているので邪魔になりません。
    デメリットは、埋設されているので、土砂などが流れ込んで堆積したときに取り除く必要があることです。また、使うたびに蓋を開けてホースをつなぐ必要があります。

散水栓が向いているのは、大水量で広い範囲を短時間に散水したいときです。

大水量で広い範囲を短時間に散水

一方の立水栓は、小水量で手軽に、狭い範囲を散水したいときに向いています。

散水栓の使い方

散水栓を使うのは水を撒くときです。蛇口にホースを取り付け、そして、ホースの先端に散水機器を接続します。

アングルバルブのタイプの散水栓は、ホースを直接接続します。
カプラーバルブのタイプは兼用なので、ホースジョイントを接続してホースを接続するか、スプレーガンを直接接続して使うかを選べます。

散水栓を使って水を撒く手順

実際にすることは次の3つです。

1.散水栓の蓋を開けます。

散水栓の蓋を開ける

2.散水栓にホースの継手(メス側)を押し込んで接続します。

2.	散水栓にホースの継手(メス側)を押し込んで接続

「カチッ」と音がしたら接続完了です。

散水栓への接続完了

3.散水したい場所に散水機を置いたら蛇口を開けます。

蛇口を開ける

4.散水を開始します。

散水を開始

水を撒くときのポイントは?

散水栓を使った“良い散水”を実現するにあたってのポイントがあります。

効果的な散水には、十分な水量を確保することが大事です。その場合、「大口径の散水栓」を選定するのがオススメです。口径が小さいと、細いホースしか取り付けられないことがあります。ホースが細いと水量が足りず、散水してもすぐに乾いてしまいます。配管はそのままで、蛇口だけでも太い口径の物に交換すると、水量が2~3倍に増えることもあります。

ホース選びも大事です。散水栓の口径に適合する、そして、散水する場所の広さに合う適した長さのホースを選びましょう。

散水栓の口径に適合するホース

そして、「使いやすさ」の視点で商品を選ぶことも大事です。実際に散水の作業をする方に合う持ち運びしやすい商品を選ぶとよいです。
使いやすさでいうと、ホースの収納に便利なので「巻取り機」もあるとよいでしょう。

巻取り機

散水に慣れていない場合、実際の作業をするときに問題が起きることがあります。良い散水を実現するために質問したいことも出てきますので、相談にのってくれる会社から購入するのがオススメです。

散水栓を使うときの注意点は?

散水栓を使って水を撒くときに注意すべきことがあります。

1つ目は、変わった蛇口があることです。散水栓の用途や美観の視点から、蛇口も様々な種類があるのです。普通の蛇口ではない、あまり見ないような蛇口の場合は、散水の専門会社に相談するのがオススメです。

2つ目は、散水には力が必要であることです。太いホースは重さがあるので、広い面積の散水をするのは力が必要です。細いホースだと身体への負担は少ないです。ただ、散水する効率は太いホースと比べると悪くなります。
「何を優先して選ぶか?」ですが、迷うときは散水の専門会社に相談するのがよいです。

3つ目は、散水栓の蓋を開けっ放しにすることにより起こる問題です。地域によっては、蓋を開けっ放しにすると寒い朝などに凍結でバルブが破損することがあるのでご注意ください。

散水栓を設置するときの費用

費用は、口径、散水栓の種類、業者に設置・工事を任せるかどうかにより変わります。

費用を安くしたい場合は、配管を変えずに蛇口だけをご自分で交換するのがよいです。この場合、費用は2万円からでも対応できるでしょう。

以下のような手洗い蛇口がある場合、業者でも2万円から対応できることもあります。

手洗い蛇口

ただ、散水栓を使った散水は、どんな場所でも対応できるとは限りません。水源からの送水管工事をしなければ対応できないこともあります。
そのため、まずは散水栓の設置・工事に強い業者さんへ相談いただくのがよいでしょう。

散水栓を使った水撒きについてご相談ください

弊社は、散水一筋59年の散水用スプリンクラー専門の会社です。
現場に合った散水機器を選定し、見積・販売しています。お気軽にご相談ください。

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