屋根散水で室温を下げる!散水の基本と効果的な冷却を実現するポイントと注意点


猛暑が続く季節になると、屋根の温度は真夏には70℃近くまで上がることもあります。
屋根に水をまく「屋根散水」は、建物の表面温度を下げることで室内の温度を下げたり、太陽光パネルの発電効率を高めたりする方法です。

千代田グラビヤ 屋根散水 画像 (40)

一般的な地面・芝生への散水とは異なり、「冷却」や「暑さ対策」が主な目的となるのが特徴です。

屋根散水の主な目的は次の通りです。

  • 屋根の表面温度を下げる
  • 室内の温度を下げ、作業効率をアップする
  • 空調効率の向上により電気代を削減
  • 熱中症対策

一般的な散水との違いは次のようなことです。

  • 地面や芝生の場合は、粉じんを抑えたり水やりをしたりして「ある程度湿らせればOK」ですが、屋根散水は連続で冷やす必要があります。
  • 一度や二度の散水では温度が下がりきらないため、「間欠散水」という方法を用いて、散水と休止を繰り返し、冷却効果を最大化します。

この記事では、まず屋根散水のメリットと注意点をしっかり理解し、そのうえで基本的なやり方を押さえながら、屋根散水の効果を高めるための方法や、散水を成功へ導くポイントを解説していきます。

屋根散水のメリットと注意点

メリットは次のようなことです。

  1. 夏の室内温度上昇を抑制
    室温を下げる効果があり、空調の効率アップや電気代の削減につながります。
  2. 太陽光パネルの発電効率を維持
    パネル温度が上がりすぎると発電効率が低下しますが、散水により温度を下げることで発電ロスを防げます。
  3. 建物の熱負荷を軽減
    屋根材の劣化を抑え、結果的にメンテナンスコスト削減が期待できます。
  4. 労働環境の改善
    工場や作業場のような空調設備が行き届きにくい場所では、屋根散水による冷却効果で作業効率が上がり、熱中症対策にもなります。

注意点には次のようなことがあります。

  • 水源の確保とコスト
    水道や受水槽の容量に限界があるため、水の使いすぎに注意が必要です。水道料金がかかる場合は事前にランニングコストを試算しておきましょう。
  • 高所作業の安全対策
    屋根上でのノズル設置やメンテナンスは足元が不安定です。業者に依頼するか、落下防止策を万全に行うことが重要です。
  • 屋根材への影響
    長時間の散水が塗膜や防水層の劣化を早める場合があります。井戸水を使うときは水質チェックをして、錆や腐食につながらないように注意しましょう。

屋根散水の基本的なやり方

屋根散水の最大のポイントは、屋根を常に濡らし続けるのではなく、散水と休止を繰り返す「間欠散水」 を行うことです。

散水は、日中の気温が高い時間帯(例:9時~17時)を中心に行いましょう。夜間は十分な冷却効果を得にくいため、夏の日差しが強い時間帯に実施するとより効果的です。

散水時間の目安としては、「10分散水 ⇒ 10分休止」を繰り返す方法がありますが、実際には「2~3分散水 ⇒ 5分中断」など、現場の状況に合わせて柔軟に調整してください。連続散水は避けましょう。水を流しっぱなしにすると水の無駄使いになり、その結果、ランニングコストが上がり、受水槽の容量をより大きくする必要があります。

また、受水槽に雨水をためて散水に活用する方法もあります。ただし、ポンプやフィルターの設置が必要になるため、導入前にコストや水量をしっかり試算しておきましょう。

効果を高める屋根散水システムの構成例

構成例を紹介します。

ポンプ・散水栓・スプリンクラーの組み合わせ

  • ポンプ:高所へ十分な水圧・水量を供給するために必要です。
  • 散水栓・スプリンクラー:屋根の形状や面積に合わせて配置し、カバー範囲を最適化します。低仰角スプリンクラーを使うと風の影響を受けにくくなります。
  • その他:受水槽・ストレーナー(ゴミ詰まり防止)、電磁弁・水抜き弁などを組み合わせ、メンテナンスや安全面も考慮します。

タイマーやコントローラーによる自動制御

自動間欠散水による省エネを実現するためには、タイマーやコントローラーを活用するのがおすすめです。たとえば「10分間の散水 ⇒ 10分間の休止」といったサイクルを自動化することで、水の無駄を減らしながら、屋根の冷却効果をしっかり維持できます。

タッチパネルコントローラー「TPC-2

  • 決まった時刻から自動で散水・停止を繰り返せる。
  • 散水時間と休止時間の調整が簡単で、現場ごとに設定を変更しやすい。
  • 誰でも使いやすい操作性を目指して設計されており、納品後の問い合わせがほとんどないほど分かりやすい。
  • iPhoneのような直感的なタッチ操作で、効率的かつ環境配慮型の屋根散水を実現。

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タッチパネル 画面

屋根散水システム導入事例

主な導入事例は次の通りです。

  • 工場や倉庫:機械熱が多い環境でも、屋根散水を導入して室内温度を下げ、作業効率アップや従業員の熱中症予防に成功。
  • 学校の体育館や校舎:夏場の室温上昇を抑え、生徒や教職員の快適性向上に寄与。
  • 畜産施設(厩舎・豚舎など):屋根散水で室温を下げ、動物のストレス軽減・健康管理に効果的。

屋根散水で成功する3つのポイント

屋根散水システムを導入して成功するためのポイントは次の3つです。

1.散水目的を明確化

暑さ対策、太陽光パネルの冷却など、目標をはっきりさせることで必要な機器や散水方式を選びやすくなります。

2.屋根面積と散水時間の試算

屋根面積と散水時間を算出するにあたっては、水源の容量やポンプの能力、スプリンクラーの配置数などをあらかじめ確認し、一か月あたりの水道料金などのコストも試算しておくと、導入の可否を判断しやすくなります。

3.メンテナンスの徹底

メンテナンスを徹底するためには、フィルターやノズルの詰まり、井戸水を利用する場合の水質管理などを定期的に確認し、屋根材や取り付けた箇所の劣化を含む設置後の点検も欠かさず行うことが重要です。

まとめ

屋根散水は、単に水をまくだけではなく、間欠散水で効率的に屋根を冷やすのがポイントです。真夏の屋根は卵焼きが焼けるほど高温になることもありますが、適度なタイミングで散水と休止を繰り返すことで、冷却効果を高めつつ水の使用量を抑えられます。

  • タッチパネルコントローラー「TPC-2」 などを活用すれば、誰でも簡単に自動間欠散水を設定できるため、ムダな水やりを防ぎながら冷却効果を最適化できます。
  • 工場や倉庫、学校、畜産施設など、導入事例はさまざま。屋根の形状や使用環境に合わせてシステムを構築し、メンテナンスをしっかり行うことで、長期的に快適な環境を保つことができます。

屋根散水を導入して夏場の暑さを抑え、省エネ・熱中症対策に役立ててみてはいかがでしょうか。気になる方はぜひお問い合わせください。

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